2016年1月23日土曜日

宮沢賢治・作 田島征三・絵『どんぐりと山猫』

今年2016年は宮沢賢治生誕120年。知り合いからの年賀状に書かれてあった。その知人は栃木で実践的な有機農業・自然農業を行っていて、宮沢賢治の求めた平和な暮らしを日々実践しているような方である。憧れや信念が人を進めさせその人となりを作っていくことを見せてくれている。

まだ本屋さんの企画としては目に留まらなかったけれど、またこの機会に宮沢賢治の世界がさらに多くの人の心の奥に散らばっていきますように。


いま手元にある宮沢賢治の作品からひとつ。田島征三・絵の『どんぐりと山猫』

「赤いずぼんをはいたどんぐりどもの裁判」も気になるが、どってこどってこと楽隊をつくったたくさんの白いきのこ、も大いに想像力をかきたてる。
きのこたちがどってこどってこ。
なんて豊かな岩手の秋の山。



 

半島暮らし


伊豆半島は海から半島ちょうど真ん中に位置する天城山にかけてぐぐぐと急な地形をしており、道路もアップダウンが激しい。半島付け根に位置する下田にかけては特に山がちであり、海ぎりぎりを走る伊豆急行線はトンネルばかりだ。豊かな温泉に恵まれ、伊東の町に点々とある銭湯もすべて温泉。蛇口からも温泉。
初めてこの土地に来た際案内してくれた不動産屋さんが、伊豆では一年中何かしら柑橘類があります、と話していた。

伊豆半島に暮らし始めてもうすぐ1年。

それまでの都会での暮らしでは、自然、というのは選択的、自分が求めた時に求めた形で接することができる自然だった。行きたいときに山に行っていい空気を吸って、天気が悪ければキャンセル。
オプションであって、本質ではない自然。非日常、という言葉は何か違うとはずっと思っていたけれど、どうも身体的にもギャップが埋められなくなってきていた。

通勤に毎日5時間も使ってしまうのは、どうかしていると自分でも思う。それが可能になってしまう電車だとかそういうエネルギーを考えるとくらくらする。

とにかく、朝と夜には改札が無人になる小さな小さな駅に降り立つと、本当にホッとする。

夏の夜が素晴らしい。海近くの駅から山に向かって電動自転車を走らせていてもエアコンの室外機の音を全然聞かない。

冬の朝は伊豆大島の端っこからトトトとのぼってくる太陽に向かって坂道を駆け下りていく。


伊豆大島の夜明け 2015年冬至