2015年2月11日水曜日

野田知佑『新・放浪記1 旅へ』

カヌーイストの野田知佑さんの本に『新・放浪記1 旅へ』という本がある。野田さんの『ユーコン漂流』でアラスカのユーコン川を目指した人は多いだろうし、気骨の有り様がうかがわれる文体のエッセイは、自分にとっても人生読本として大事なストックとなっている。

『新・放浪記1 旅へ』 はそんな野田さんの背景が、切り落とすような印象の文体で書かれていて、数年前に初めて読んだときは少々胸を突かれた。アラスカやニュージーランドや日本の川を飄々と漕ぐカヌーのおじさん、の背景には、怒って荒れる壮年期があったことを知った。

今年になってふらりと入った古書店の棚で『新・放浪記2 南へ』が目に飛び込んできた。まさに飛び込んできたとしかいいようがない。何かぱちんとスイッチが入れられたように自分の中である決定がわいた。これだから本というのはおそろしい。中途半端にしていた半島暮らし、始めます。


雪旅籠

経験しないと分からないという絶対なものさしを振りかざす経験主義者にはなりたくないけれど、それでも、実際に経験してみて、それまでの想像なり他人の談などをすっと超えられることというのは結構ある。もちろん想像というのは大事で、想像の積み重ねの先に経験のよろこびがあったりする。

理屈はとにかく、 雪旅籠の話です。山形の雪深い志津温泉のイベント。
今年は2月27日が初日とのこと。

http://www.gassan-shizuonsen.net/yukihatago/index.html

自然に積み上げられた高さの雪の壁を掘って、作り上げたという雪の旅籠には、ローソクのあかりが灯されていて、何よりその旅籠内部のほっこりとした雪のあたたかさは、今思い出してもうっとりさせられます。