2013年6月30日日曜日

柳家小三治『もひとつ ま・く・ら』

師匠には申し訳ないのですが、古書店で100円でふらりと購入しました、柳家小三治『もひとつ ま・く・ら』がおもしろかったです。

熱心な落語家ファン、というわけではまったくなく、ラジオでぼんやり聞いたり、飛行機に乗っているときに聞いたり(これはたのしみにしているので、途中機内アナウンスで中断されるとこの上なくショックをうけますが)するくらいです。

旅については傍から見るとかなり面倒な手間ヒマをかけて準備をしていそいそと出かけるのに、どうも劇場やら映画館やら寄席には億劫に感じて足が向きませんでした。別に家でDVDも見ません。

でもこの本はおもしろかった。日常生活おきざりにして読み進めたくなる冒険譚や推理小説、先に進むのも惜しい重厚な文学作品とも違う、肩の力の抜けた、ゆったりしたおもしろさでした。師匠は笑われるかもしれませんが、これは癒し、に近いかもしれない。理屈抜きに、実際の落語聞きに行こうという気持ちになりました。




Tane Mahuta (ニュージーランド)

自分にとって新しい何かを受けとめ理解するためには、意識せずともたいていはそれまでの蓄積を媒介にして、把握しようとしている、対象をそのまま受けとめることはできない、という話を旅をしているとよく思い出します。

ニュージーランドの森の神、タネ・マフタに会ったときの場合は、もちろん屋久杉たちでした。

Tane Mahuta 2013

そして屋久杉が縄文杉だけではないように、名前のついたカウリの巨木も、名前のない巨木も、ニュージーランドの北島に今でも残っています。かつてカヌーを作り上げたというカウリの木。
実際にその場所に行ってみると、驚くほど海の近くに森があるのです。

滞在していたWaipoua Forest Campgroundからタネ・マフタまでのトレッキング・ルートもあるそうですが、私が行ったときは残念ながら土砂崩れのため閉鎖中でした(2013年1月時点)。
道路沿いに立っているので、道路から歩いて見に行けます。