2013年1月27日日曜日

ラインホルト・メスナー『ナンガ・パルバート単独行』

少し長めの旅に出る前、パッキングの最中に本を選ぶのは楽しみのひとつです。気持ちは未知のニュージーランドに向けられながら、部屋の隅に積んである本をサーチして目に留まった本が今回これでした。
真夏のニュージーランドの森の中で、ヒマラヤの8,000メートル峰に一人で挑んだ”超人メスナー”の本を読もう。

ニュージーランドの快適なロッジの中で読み進めていると、あらこれは何か不思議な本。”超人”から来るマッチョなイメージとは程遠い。
時系列データの積み重ねと分析がまとめられた登山日誌ではありません(最後に「ナンガ・パルバートの25年」の章がある)。 孤独の絶望の淵を見つめ、引きずり込まれた単独行着手までの日々と、登攀中に次々に襲われる新たな状況と判断と極限の心理について、言葉を慎重に選びながら書かれています。ナンガ・パルバートに挑んだ人たちの記録を丁寧に読み込み、対話しながら行って生きて帰ってくる。

どうしてそこまで?それに対する答えは、文中のインタビューに現れています。山登りほど自分にたいする深い誠実さを求めるものはない。

ル・グウィンの『ゲド戦記Ⅰ 影とのたたかい』に打ちのめされた人には特におすすめできる本です。



2013年1月21日月曜日

カウリの森から始まる2013(ニュージーランド)

ニュージーランドに行ってきました。
アウトドア大国は想像以上で、用意されているアクティビティは海から山まで幅広く、情報も豊富です。初めてのニュージーランド旅の計画を立てるのはアラスカ旅以上に、行く前も行ってからもエネルギーが要りました。

さんざん目移りしつつ、初志貫徹で北島のカウリの森へ!

羊と牛がなだらかな丘にちらばる国を、かつてはカウリという巨樹の森が覆っていたと本にはあります。

そこは知らない森でした。久しぶりにたくさんの愉快な鳥に出会える至福の旅でした。