2012年6月25日月曜日

Astronomy Pitcture of the Day (APOD)

屋久島に行く途中のフェリーから、種子島のロケット打ち上げの軌跡をわくわくしながら見ていると、子どものころ宇宙にあこがれたことを思い出します。

米国NASAが提供するAstronomy Picture of the Dayをたまにのぞきますが、日替わりの天体写真にいつも驚かされます。

http://apod.nasa.gov/apod/

今日(2012年6月25日)はレユニオン島(アフリカ)で撮られた、湖上に弧を描く天の川。すべてがあまりにも美しいです。


2012年6月24日日曜日

茨木のり子『詩のこころを読む』

気持ちがとっちらかっているとき、詩集をぱらぱらめくって眺めたり声に出したりしています。そうするうちに、なんだかすーっとととのって静かになってくるから不思議です。

茨木のり子『詩のこころ読む』(岩波ジュニア新書 1979年)



本人も詩人である著者によって選ばれた詩のアンソロジー。
好きな詩への思いもつづられています。

私は工藤直子「てつがくのライオン」永瀬清子「諸国の天女」がずっと変わらず好きです。

「てつがく」するライオンと「かたつむり」の対話がなんともやさしい。容易な内容ですが、「言葉を使う術が非常に洗練されてい」る詩だからこそその惹きつける力が大きいのでしょう。

羽衣を忘れた天女伝説が土台の「諸国の天女」は、日本語はまさに縦書きなんだ、と納得させられる美しい詩です。
「家」というものが絶対のものであった時代、”ご飯は皆が済んでから”という時代の女性たちの気持ちをくむ詩です。それは今の時代にも、形を変えて共感を得ていると思います。


 詩の合間あいまに挿入されている田沼武能、土門拳、島田謹介の写真にも深い配慮が感じられる、素敵なアンソロジーです。


2012年6月17日日曜日

メンデンホール氷河(ジュノー・アラスカ)

「アラスカの氷河は、景観の美しさという点では、世界第一といわれている。」
(渡辺興亜編『中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河』岩波文庫)

雪の結晶の世界的な研究者であり、その美しい随筆が長く愛されてきた中谷宇吉郎がメンデンホール氷河で調査をしていたことを知ったのは、旅から帰ってきてアラスカの書物を漁っていたときのことです。

南東アラスカ・ジュノーにあるメンデンホール氷河はジュノーのダウンタウンからのアクセスがとても容易です。街巡回バスのバス停からとことこ歩いて30分くらいすると、氷河が見えてきてそれはそれは心躍ります。




氷河の近くには短いトレイルが何本かあり、ジュノーの街の人たちのレクレーションの場になっています。



















氷河はどんどん後退して消えているようです。

地球温暖化が言われる一方太陽活動が弱まり寒くなるという話も聞きますが、抽象的な遠い話はともかく、自然の美しさが失われていくのはやはり悲しいな、と思います。

2012年6月5日火曜日

地平線会議『うちのわんこは世界一! マッシャー・本多有香のユーコンクエスト』

2012年2月、犬ぞりレース「ユーコンクエスト」1600キロを日本人女性として初めて完走した本多有香さんの本を一気に読みました。

地平線会議スペシャル『うちのわんこは世界一!マッシャー・本多有香のユーコンクエスト』
http://www.chiheisen.net/_news/_news12/news12-02.html

1998年にマッシャーになるためカナダに渡り、春夏は日本でアルバイトをしながら資金稼ぎをし、冬はカナダ・アラスカで犬ぞりマッシャー修行とレース出場という生活から、自らの育てたわんこたちとユーコンクエスト完走にいたるまでの軌跡が強く心を打ちます。

何よりも、本多由香さんのシンプルな言葉で表現される喜びと情熱と夢に胸が熱くなりました。

日照時間が短く、暗い間の走行となるレースでは、お祭りなどで売っている光るリングを犬の首につけたとのこと。きっと何を見てもすべてが犬ぞりに通じるんだろう、と思わされました。

また沢山の人たちにこの本がボロボロになるくらい読まれて、それぞれの冒険が沢山生まれたり、情熱が生まれるのでしょう。
 



2012年6月3日日曜日

南東アラスカフェリーの旅

archipelagoアーキペラゴ、多島海という美しい名前が冠せられるにふさわしい南東アラスカでは、人が住む町やポイントをつなぐのは道路ではなく飛行機と船です。

シトカでBlue Lakeという湖に連れて行ってもらったとき、その静かさが耳の奥を押すような感覚をおぼえていますが、なによりも町の幹線道路が少しずつ、でも町からそれほど走らないうちに細くなり、それ以上行くと行き止まり、というところまで実際に行ったことを感慨深く思い出します。本当に本当に道の終わり。

フェリーの旅のよさは、氷河をいただく山々を遠景に針葉樹の深い森を間近に眺めながら、時には海の動物たちに自然に会えることでしょう。
↓わかりにくいのですがたぶんクジラの一種が尾びれでばしゃんばしゃん海面をたたいて遊んでいたところ。





航路の確認やチケットの予約はウェブサイトからできます。
Alaska Marine Highway
http://www.akmhs.com/

乗っている間は意外に揺れるので、外のデッキ上ではうっかりぼーっとしていられません。揺れるのは波のせいというより、フィヨルドの地形をぬって船が航行しているためで、地図を見ると細い細い間を走っていることに驚きます。
時々森の中に家がすっと現れるとじっと見つめてしまいます。いったいどんな人がどんな暮らしをしているのだろう。